恐山大祭

恐山大祭

ゴツゴツとした岩の道、殺風景な見晴らし、ものものしい雰囲気をかもしだす地蔵や石碑に、第六感を刺激するような硫黄(いおう)のにおい……。荒涼とした景色と温泉の噴気によって、地獄を思わせるような風景を展開する青森県の観光名所「恐山(おそれざん)」。和歌山県の高野山、京都・滋賀の比叡山と並ぶ3大霊山としての側面を持つこの山は、いったいどのような要素でスピリチュアルな様相を呈しているのでしょう。それはこの山で毎年7月下旬に行われている「恐山大祭」に大きな関わりがあるのです。

東北名物の恐山大祭とは

下北半島(本州最北端に位置するフック状地域)の中央部。東北地方をはじめ、死者の霊が多く集うとされている恐山(おそれざん)。イタコや口寄せといったキーワードとともに、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。貞観4年(西暦862年)に慈覚大師(天台宗を開いた最澄の弟子)によって開山され、天台宗の修験道場として栄えたとされています。ここで行われている恐山大祭には、例年数万人もの参拝者が訪れるといいます。メインの行事は「山主上山式(さんしゅじょうざんしき)」と呼ばれる大行進。三途の川から本堂まで多くの僧侶が詠歌を唱えながら行進するものです。藩制時代の山主の参拝を再現しており、この行列を目当てに多くの見物客が集うのです。大祭の期間中は他にも、新しく仏になった人の供養や無病息災・家内安全を祈る「大般若祈祷会(だいはんにゃきとうえ)」や、亡くなった人を供養する「大施餓鬼法要(だいせがきほうよう)」も開催。そしてこの期間に死者の霊が恐山に集うと信じられているので、大祭のために青森中からイタコが集まり、口寄せも大々的に行われるのです。数時間の行列になることも珍しくはなく、現代においてもその重要性が証明されているといって良いのかもしれません。

上記では詳しく説明しませんでしたが、大祭中に「山主上山式(さんしゅじょうざんしき)」や「大般若祈祷会(だいはんにゃきとうえ)」、「大施餓鬼法要(だいせがきほうよう)」といった、日常生活ではなかなかお目にかかれない本格的な儀式が行われます。山そのものの厳正な風景や、そこで行われる宗教的な緊迫感、そしてイタコや口寄せといったイメージに付随されるオカルティックな雰囲気。しかしながらスピリチュアルスポットとして近年話題になりつつあるものの、恐山そのものに対して恐怖感を抱く必要はまったくありません。

観光地としての恐山

そもそも「恐山」という名の由来はアイヌ語のウショロ(入江や湾の意味)というものが転訛したものといわれています。近隣にある宇曽利(うそり)湖と同じです。(ちなみにこの湖は、殺風景な岩場地帯を抜けるとたどり着く場所で、神秘的なエメラルドグリーンの湖面をはじめとした美しい景色から『極楽浜』とも呼ばれています。険しい登山コースを踏破する必要はなく、標高はほんの878メートル。山自体は宗教的な意味合いが強く、お遊び気分でふらふら訪れるのは雰囲気にそぐわないまでも、決して修験者や深刻な悩みを抱えるものが決死の覚悟で挑戦するような過酷な場所ではありません。

また、下北半島の国定公園にも指定されていること、そして数種類の温泉が湧くことでも知られており、湯治場巡りも楽しめます。スピリチュアルブームやパワースポットの代表例として、観光的な要素も大いにあるでしょう。青森・東北の名所としても知られていて、ツアーが組まれていることも珍しくはありません。東京から下北半島まで、早ければ飛行機で4、5時間。列車だと15、6時間でアクセスできます。恐山大祭をはじめ、5月から10月の開山時期に青森や東北の魅力あふれるスポットとして訪れてみてはいかがでしょうか。そしてあなたの人生の成功や幸運をとらえることがでるよう陰ながら祈っております。

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