占いブームの中のイタコの立ち位置

占いブームの中のイタコ

占いブームとイタコ

空前の占いブームである今、イタコという存在にも注目が集まっています。少し前までは後継者もなく、このまま消えてゆくだろうと懸念されていたイタコという存在が、メディアなどでも大きく取り上げられています。ことに、占いの分野では、非常に人気のあるイタコ占い師も登場しています。迷い、悲しみ、悩みの多い現代生活において、古来から人々の悩みを救ってきたイタコの存在が、東北という限られた地域を超えて全国区で必要とされてきたということでしょう。

でも、そもそもイタコとはなんなのでしょうか。はっきり言いますと、単なる人気占い師ではありません。イタコとは一種のシャーマンです。交霊、降霊を通し、霊の言葉を伝えることができます。死者の言葉を伝える口寄せ(仏口)が有名ですが、イタコの能力はそれだけではありません。神の言葉を伝える「神口」、生きている人間の生霊を呼び出す「生き口」など、口寄せだけでも数種の能力を持ちます。また、古来から、占い、予言、安全祈願、縁結び、病気回復などの様々な分野で霊能力を発揮し、仕事にしてきました。イタコがいつごろからいたのかは定かではありませんが、江戸時代にはすでに定着したという確かな文献が残っています。江戸時代の紀行家である菅江真澄の文章の中に、“盲巫女が口寄せや占いとしている”という記述が出てきます。この文献の中ですでに、盲巫女をイタコと読ませていました。確かな記録が残るのはこれが最古のものかと思いますが、実はそれよりもっと古くからイタコは定着していたとも考えられています。中には、紀元前からイタコはおり、荒吐神(アラハバキ)という伝説の神を奉じていたという説もあります。

イタコは陸奥(青森県から岩手県の一部)全域において、伝承されてきた職業です。伝統的には、イタコは盲目の女性が担ってきました(現代においては男性もいるし、盲目ではない方もいます)。イタコとなるにはまだ少女のうちに師匠へ弟子入りし、平均すると4年ほどの厳しい修行が必要とされています。その修行は生死をかけた苛酷なものです。かつては命を落とす者が多数出ました。その荒行に耐えられた者だけが、イタコとなることができるのです。この修行を通して精神を研ぎ澄まし、肉体を清め、己の中に秘められた霊能力を開花させます。もともと目が見えないために、第六感が通常の人より研ぎ澄まされており、霊的な能力が開きやすいとも言われています。

イタコはかつて、地域ごとに縄張りがあり、師匠から弟子に継承されてきました。この地域の中で、占いや予言など、上記に上げたような仕事を担ってきたのです。しかし、現在はこのような縄張りの継承は事実上解体しています。ではイタコはどこで活動をしているのでしょうか。どこへ行けばイタコに会えるのでしょうか。1つは、イタコが集まることで有名な恐山です。毎年7月に「恐山大祭」が、10月には「恐山秋祀り」が開催されます。このときには、東北各地に散らばるイタコが集まり、イタコマチを形成します。イタコマチとは、恐山の一角にテントなどを張り、口寄せなどをする場のことです。ただし、1970年代をピークにイタコマチも縮小を続けています。一方、自宅や小さな鑑定所を開いて、個人的に活動しているイタコもいます。このようなイタコも、数少ないながら貴重な存在です。現在増え続けているのは、電話鑑定、電話占いです。電話を通じても、イタコの霊能力が妨げられることはないと言われています。人気占い師として有名なイタコに鑑定してもらうのに、もっとも確実な方法と言えば、現在ではこの電話占いでしょう。

イタコに迫り、その詳細をお伝えする

当コーナーでは、イタコの真の力に迫り、イタコを必要とする方たちに、その情報を提供することも目的のひとつとしています。イタコの文化や歴史を解説するだけでなく、特に、現在においてイタコと接することのできる最大の窓口である、電話占いにも大きな力点を置いています。なぜなら、現在社会においてイタコ文化が継承してゆくためになくてはならない手段であるにも関わらず、正しい情報が少ないと感じているからです。

さて、2010年に文部省科学省が補助金を助成し、「イタコの口寄せ」を調査研究したことはご存知でしょうか。これは、故人の霊を呼び寄せ、その言葉を伝えるイタコの力に注目したものです。特に、自殺者の遺族の心を癒すことに注目して調査研究が行われました。これは日本における自殺者の人口増加が深刻だということ、さらに、自殺者の遺族の心のケアは従来の医療やカウンセリングではなかなか効果を出せないことをものがたっています。このように、科学では救いきれない問題が噴出し、癒しが必要な現代だからこそイタコの力は、益々広く必要とされています。そのようなイタコの力をつかえていくのも必要だと感じます。この風土が育ててきて、土着信仰の一旦を担ってきたイタコが、現代社会において、どのような働きを担っているのか。それを解き明かし、今、悩みを抱え、イタコを必要としている方々に、有益な情報をお届けできれば幸いです。

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