イタコのいる恐山に行きたい

イタコのいる恐山に行きたい

恐山は国内各地から新幹線なら八戸、飛行機ならば三沢まで向かい、その後「青い森鉄道しもきた」大湊行きに乗り下北駅で下車、そこからは車かバスを利用します。タクシーで25分、バスなら45分程度で到着します。バスは発着本数が少ないので、時間を調べて行くほうがいいでしょう。イタコ祭りが行われているのは青森県・下北半島の下北国定公園内にある「恐山菩提寺」というお寺。前述のように大祭は7月20日から24日、そして秋詣でが10月の三連休で開催されます。恐山菩提寺は上記期間中でなくても5月1日から10月31日までは開山しているので、この期間中であれば参拝することができます。

お寺は山々に囲まれた湖のほとりにあります。宇曽利湖というこの湖は水質上生物が少なく、エメラルドグリーンの神秘的な色も手伝ってか、昔の人々は「三途の川」としてあがめていました。周囲の浜辺は「極楽浜」と呼ばれています。山側には岩肌むきだし、湯けむりがもうもうとわく風景があり好対照をなしており、こちら側は「地獄」と呼ばれています。この湖や温泉とともに「蓮華八葉」と呼ばれる8つの山々(釜臥山、大尽山、小尽山、北国山、屏風山、剣の山、地蔵山、鶏頭山)に囲まれる形でお寺は建っています。大自然の風景のなかに、こつ然と姿をあらわす恐山菩提寺。お寺に到着すると目の前にはダイナミックな鳥居や社殿、そして大小さまざまな仏像が相見え、山中の極楽浄土を彷彿とさせます。大きな境内には硫黄成分を主体とした温泉がわき、その湯けむりと強烈な硫黄臭、そして温泉の地熱が参拝者の五感をさらに刺激し、はるばる詣でた気分とあいまって、誰もが荘厳な気持ちでお寺と向き合います。広い境内は参拝に約40分を要します。入り口で入山料を支払って総門をくぐり、左に曲がった辺りに「イタコの口寄せ」と書かれたノボリが立っています。お祭り期間中はそのそばにイタコたちがテントをはって待機しています。開山時間は朝6時から夕方6時まで、500円の入山料が必要です(子ども・団体料金あり)。開山中は毎日6時半、11時、2時の三回にわたり祈祷・供養が行われます。大祭と秋詣での際は特別時間になります。

食事どころや休憩所、そして宿泊が必要な参拝者のためには宿坊も用意されています(宿泊は要予約)。宿坊では写経、お寺に院代がいるときには法話を受けることもできます。境内に湧く4つの温泉のほか、宿坊にも温泉施設があり名湯を堪能できます。その昔は徒歩でやってきた旅人たちは温泉に入り、身を清めてから恐山にお参りしたそうです。ちなみに、これらの硫黄泉は神経痛やリウマチ、胃腸病、吹き出物、眼病などに効果があるそうです。

霊場、霊山、霊地などと呼ばれ霊験あらたかな地として知られる恐山。現代でも東京から新幹線と在来線、バスを乗り継いで片道5時間以上かけて行かねばなりません。道の整備もままならなかったその昔、人々があの世とこの世の境目と信じていたのもうなずけます。この神秘的なお寺を詣で、イタコに口寄せを中心とした鑑定を行ってもらえば心身ともにリフレッシュすることができるでしょう。大祭・秋詣での期間中はたくさんのイタコが一堂に会するので参拝者も多く、非常な賑わいをみせます。混雑しますが一見の価値があると思います。開山中の静かな一日に、普段の恐山を詣でてゆっくりとイタコの話を聞くという参拝もまた、味わい深いものがあることでしょう。下北半島の自然にふれ、イタコとの時間に癒される恐山詣で。足を伸ばせるならば一度は経験してみたいものです。

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