イタコと霊能者の違い

イタコと霊能者

一般的にはイタコを霊能者だと思っている人もいますが、厳密に言えばイタコを霊能者だと断言することは難しいのです。確かに霊能力を持つ人も多いですが、イタコは本来死者の魂と相談者の仲介をする巫女のような立場であり、除霊したり結界を張ったりして霊を浄化・回避することが専門の霊能者とは少しニュアンスが違う部分もあります。

イタコになるためには霊感を持っていることが前提で、厳しい修業を乗り越えてイタコとしての使命を授かることになります。もちろんどんなに修業しても口寄せができない人も存在しているので、誰でもなろうと思って簡単になれるものではありません。現役のイタコが高齢になってきたにも関わらず、後継者はあまり存在していないのでイタコの数は毎年減少傾向にあると言われています。イタコになるには鑑札を持つイタコに弟子入りをしたり、お寺で修業を積まなければ正式なイタコとしては認めてもらえません。

イタコの中には霊視や除霊ができる人も存在していますが、先祖や身内・親しい友人など亡き人の声を届けることが本来の使命です。イタコは東北地方の民間信仰から生まれたもので、現在行われている青森県下北半島恐山大祭でのイタコの口寄せが有名です。

恐山を1度訪れた人は、賽の河原や宇曽利山湖(うそりやまこ)の風景に圧倒されると言われています。イタコ=恐山のイメージも持たれがちですが、イタコは恐山に住んでいるわけではありません。普段はそれぞれの街に住んで生活をしています。恐山で口寄せをしてもらうことができるのは、大祭の行われる前後の期間となるのです。恐山は標高878mの山で、毎年5月~10月末の期間のみ開山しています。イタコに会うのは難しいようなイメージを持ってしまいますが、現在は電話占いなどのウェブサイトを経由して、恐山まで足を運ばなくても相談にのってもらうことが可能です。

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